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今度爪が伸びたら
今度爪が伸びたら、先端のほうに針で穴を開けよう。分からないけれどきっと痛くない。針の穴に通すように青い糸を通したい。その糸の先にビニールで作った青い鳥をつけたい。凧のように風に乗せるために、運動場を借りて走ろうと思う。はじめはただ走って生まれる風に青い鳥が靡くだけだけれど、...
ushisansan21
2023年12月20日
飛行機内で
真っ白の霧の中にいる。 雲の中に入るとはどんな感じだろう。小さい頃、アニメ「アルプスの少女ハイジ」総集編のビデオを見ながら、何度も考えた。おぼろ気な記憶だが、高い山の丘を滑るようにモコモコの雲が駆け抜けていき、ハイジを包んで通り過ぎていったような気がする。私はその雲の存在を...
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2023年12月1日
緑の液体
夜に絵を描くと眠たい。お腹も減る。 何か食べたいけれど、体にあまり良くないんじゃないかと一度逡巡する。 仕方がないので大体は、目が覚めそうなものを飲んで空腹を誤魔化す。この夏は緑茶を冷蔵庫で冷やしたものを飲むことが多かった。...
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2023年9月18日
おみくじ金言
朝一で川越氷川神社に向かう。 改修工事をしていて、シートで隠されている大きな建物があった。それを見るのは諦めて、大きな鳥居と見物し、お守り売り場をぐるっとまわった。 そして小さな川のような場所で和紙を水にながすおまじないをして、穢れを水にながせたらしい。...
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2023年9月9日
ぶらんこ乗り
小学生のころ、活字しかない本を読むのは少しまどろっこしかった。本が嫌いだったわけではない。読んでる最中の驚きもワクワクも感動も存分に楽しんだけれど、ただ成り行きと結末が一番知りたかった。文章も漫画もアニメも映画もごちゃまぜだったのだろう。中学に上がるころ、いしいしんじさんの...
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2023年6月5日
13/9/17
作文を書いてきて、自分の考えたことを言葉にするのは本当に難しいし恥ずかしいものと思った。 かしこまり過ぎるのも、ふざけ過ぎるのも、綺麗な言葉を使い過ぎるのも、本当は恥ずかしい。なんとか正確に言葉にしたい気持ちはある。でも結局できた文章が本当のことなのかは分からない。なんとな...
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2023年5月15日
冬の川を飛び続ける
武庫川ほどは大きくもない、そこらの用水路ほどは小さくもない川で、水に沈む飛び石のようなものに足を置いた。その石を蹴るようにして飛んで、次の石へ移った。その日は冬で、足を踏み外して川に落ちる心配をギリギリしてしまうような距離にその石はあった。石はいくつも川に埋まっていた。空は...
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2023年5月4日
UFO目撃談
その日はいつものように会社へぼんやりと向かっていた。よくあることだが、本当にその日は億劫だった。会社も近づいてきて、嫌だなあと空を見上げると、太陽とは別の小さな光があった。それはヘリや飛行機とは思えないような速さと、複雑で滑らかな軌道で空のごく一定部分を右往左往した。何秒か...
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2023年4月30日
雲の水平線
建物や背の高い木の間の空に、水平線のような雲ができることに初めて気づいたのは高校生の時だった。 部活か何かの帰り道、日はほとんど沈んで辺りは薄い青になっていた。左側には高台の上の団地、右側には線路沿いに植えられた大きな木、正面には坂の下の住宅街があった。その三つに囲まれたU...
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2023年4月18日
日食せよ
お腹が彼女を食べてしまう。 景色がぼんやり発光する。 それも日食が終わるまでの、ほんの短い間のこと。
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2023年4月18日
雪ももの岡
下水管、デジタルの雲が雪を降らす。 つもりつもった雪は桃になって、 科学者たちは流れ星の光を集め、 雪と桃を見分けている。 こんがり焼けたら白桃で、さらさら解ければそれは雪。
ushisansan21
2023年4月18日
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