top of page

雲の水平線

ushisansan21

建物や背の高い木の間の空に、水平線のような雲ができることに初めて気づいたのは高校生の時だった。

部活か何かの帰り道、日はほとんど沈んで辺りは薄い青になっていた。左側には高台の上の団地、右側には線路沿いに植えられた大きな木、正面には坂の下の住宅街があった。その三つに囲まれたU字型の空の底のほうに、真っ直ぐに水平線のような青黒い雲が沈んでいて、その空間に沈澱しているみたいだと思った。もしくは黒く集まった雲がこちらを飲み込もうとしているようでもあった。

初めて見た光景で、すごいものを見てしまったと思っていたが、それ以来ときどき見ることができている。狭い空だけでなく、広い空でも水平線の雲は見ることができた。

ありがたみはだいぶ減ってしまったが、それでも水平線のような雲を見つけるたび、虹を見つけた時のような気持ちになる。昨日の虹は綺麗だった。

最新記事

すべて表示

2024年ポエムまとめ

絵にタイトルをつけるのが好きです。 一文湧いて出たら、また一文、もう一文と続く時がある。続かない時もある。思いついてしまったら止められないし、もったいないので、自分の絵にそれをつけ続けた。(昔のものをまた書き直したものもある)...

宗谷岬(北海道)/海を見た日

ここには実際に行っていない。スープカレー屋さんで飾るのだから北海道の絵にしようと思い描いた。北海道は一度行ったことがあるけれど、海の写真も記憶も残っていなかった。湖なら写真があったのだが、今回は海なので、北海道最北端・宗谷岬を描いた。漫画ハチミツとクローバーで、竹本君が自転...

海が続く道(沖縄)/海を見た日

ここは沖縄で、みんなでどこかを目指して歩いていた。途中アイスを買って、でもあまりにも暑すぎるからみるみるうちに溶けてしまい、手元が大変なことになった気もするし、なかなか上手に食べ切れたような気もする。真っ白な灯台のようなものも見た。とにかく歩いても歩いても、まさに南の島の海...

 ※当サイト内のすべての絵と文の転載はご遠慮ください

© 2023 Yusuke Oda - Wix.com で作成されたホームページです。

bottom of page