今度爪が伸びたら、先端のほうに針で穴を開けよう。分からないけれどきっと痛くない。針の穴に通すように青い糸を通したい。その糸の先にビニールで作った青い鳥をつけたい。凧のように風に乗せるために、運動場を借りて走ろうと思う。はじめはただ走って生まれる風に青い鳥が靡くだけだけれど、どこかで本物の風に乗る。糸はピンと張り詰めて、こちらの自由にできなくなる。空のてっぺんまでいけば、糸はちぎれて鳥は自分で飛んでいってしまいそうだ。体中の水分も空に上っていきそうだ。
爪を伸ばすのは苦手だ、凧揚げも。深爪気味の小指に今夜、決意表明として青いポリッシュを塗った。